トークショー

[T-8] 2025.2.13 Thu. 17:00~

AIに負けない力
~非認知能力を育む、子ども中心の保育~

IPU・環太平洋大学教授
お茶の水女子大学名誉教授
十文字学園女子大学名誉教授
内田 伸子 Nobuko Uchida

 

PROFILE

学術博士(Ph.D.in Psychology)。発達心理学、認知科学、保育学を専門とし、主な著書には『発達の心理ーことばの獲得と学び』(サイエンス社、2017)、『AIに負けない子育てーことばは子どもの未来を拓く』(ジアース教育新社、2020)、『想像力ー生きる力の源をさぐる』(春秋社、2023)など多数。NHK「おかあさんといっしょ」の番組開発・コメンテーターも務める。国際賞・功労賞(日本心理学会、2016)、文化庁長官表彰受賞(文化庁、2019)、文化功労者(2021)、瑞宝重光章(2023)授章。

~こんな方におすすめ~
・非認知能力を育む教育・保育を実践していきたい方  

・エビデンスに基づいた育ちの支援や主体的な学びの環境づくりに関心がある方

〜こんな研究をされています〜

未来の社会を生き抜く子どもの教育法や援助について

  • 脳の発達と学びの関係

子どもの脳は、成長の過程で三つの大きな認知革命が起きます。10ヶ月で記憶が形成され、5歳後半には発語が活発化し、小学校3年生頃には判断力やモラルが発達します。神経細胞同士を連結するシナプスの形成は65歳頃まで、発明や発見などに寄与する海馬の歯状回の形成は、90歳頃まで続くことが明らかになりました。人間の脳は、生涯にわたって新しいことを学び続ける可能性を持っています。なかでも、幼少期の五感を伴う経験が脳の発達に与える影響は非常に大きいといえます。

  • 共有型のしつけが育む力

子どもの前に絵が描かれたカードを示し、ストーリーを語ってもらう「お話あそび」の実験では、幼少期に読み聞かせを受けた子どもが、想像力豊かな語りを行うことが確認されました。親子の触れ合いを大切にして、子どもと楽しい経験を共有する「共有型」のしつけにおいては、3H(褒める・励ます・広げる)の言葉かけがとても多く見られます。こうした対話が子どもの「聴く力」を育て、相手への思いやりや自分で考える力を培います。

  • レジリエンスで乗り越える

20年後は、今ある仕事の約半分がAIにとって替わられると言われています。IQや偏差値といった認知スキルだけでなく、社会性や情緒、目標達成力などの非認知スキルが、今後の社会で重要な役割を果たします。特に、レジリエンス(逆境に直面した際に困難を乗り越える力)は、幼児期のあそびや生活経験がその成長に大きく影響を与えます。人間は、縄張り争いといった奪い合いの歴史から脱し、交流し協力し自分だけの利益を超えた絆を形成することで、進化を続けてきました。子どもたちの主体的な学びの環境づくりは、AIにも負けない力を養い、人間ならではの新しい価値の創造が期待されます。

〜チケット購入〜
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